夏色の嘘
2006 / 06 / 30 ( Fri )
夏が暑いのは冬が寒いのと同義である、
そう考えてもやっぱり暑いものは暑いわけで、いくら今が夜中だとしてもそれは気休め程度にしか感じられず、夏が暑いのは必然なんだと必死に言い聞かせてみてもいざ暑くなってみると愕然とするやら憤然とするやらもうとにかく憮然としてしようがない。
それが自然の摂理だなんて言われなくても分かってはいるが、こんな暑さじゃ太陽を打ち落とす気にもなれやしない。
「心頭滅却すれば火もまた涼し」というのは至極簡単な話だと思うが、知ってりゃ大丈夫かどうかはまた別の話で、実際に行うには平常心と同等の根性が必要であり、生憎そんな便利なものを持って生まれてなどいないオレは滅却することもなくただ蚊に襲撃されているという悲惨な状態である。
それにこの言葉を残した人物は滅却したまま焼け死んでいるのであまり信用出来るもんじゃないし。
人を信じれば穴二つ、自分の墓穴は自分で掘れってことか。
「おい、さっさと掘れよ」
などとぐるぐる考えていたら怒られてしまった。
「ホントにこの辺りなんだろうな」
「そのハズだよ、だってここにカツラの木があるし」
「カツラ!」
「誰もオマエの事なんて言ってないから反応すんな」
と、騒がしいオレたち三人が今いるのは母校である中学の裏手にある裏山である、あまり人も入らず忘れ去られた感があるが、ここには卒業前にオレたちが埋めたタイムカプセルがある。
事の流れを説明すると、同窓会で再会したのが4時間前、
タイムカプセルの話題になったのが3時間前、
で、掘り出しに出かけたのが1時間前、
そして今に至る、と。
そう考えると無駄な行動力だなと思う。昔と何も変わっちゃいない。
「ダメだ、暗いし記憶無いし見つかんねぇよ」
「大丈夫、こんなこともあろうかと、金属探知機を持ってきた」
「何探す気だ」
「あ、オレはダウジングセットを」
「所持してるオマエが分からねぇよ」
などと騒ぐこと数分、結局各々が勝手に探し始める。そのまま数十分が過ぎた後、
「これだけ探しても見つからないなんて、もしかして
『環境にやさしい! 土に還るプラスチック素材使用』
とかじゃないだろうな」
「そんな不親切な素材なんか使ってたまるか」
などという愚痴も飛び交い始め、急速にやる気が削がれていく。そんな状態。
「なぁ、死体って見つけたらどうしたらいいんだ?」
唐突に聞かれた。
フリーズ、シャットダウンが出来ません。
「そりゃオマエ、警察に連絡してだな・・・」
「・・・・・・」
「・・・見つけたのか?」
彼はそれには答えずただ地面を向いて立ちつくすだけだった。何だか急に寒くなってきた。
「おぉい! こっちも見つけたぞ」
そんな状況とは無縁のダウジング男が横で声を張り上げる。
「ほら、タイムカプセル」
「それどころじゃねぇよ、死体見つけたんだからさ」
「死体?」
「そう、白骨死体だよ」
怪訝そうな顔を見せた刹那、すぐに表情が変わった。
「あぁ、それか、それには心当たりがある」
「心当たりって、この死体にか?」
「まさかお前、殺したのか!」
「分かったからちょっと待ってろよ、確かこの辺に・・・、おぉ、あったあった、ほらコレ」
『タイムカプセルの中身 目録』
「あ、そういえばこんなの書いたな」
「そ、これのココ、見てみな」
オレたち二人はそこに書かれていた内容を見て納得した。
中に入れたモノ
・野球カード
・鈴木選手のサイン入りボール
・通知票
・10年後の自分へ
・あの日の思い出
・
・
・
・
・理科室の人体模型(入らないので横に埋める)
そう考えてもやっぱり暑いものは暑いわけで、いくら今が夜中だとしてもそれは気休め程度にしか感じられず、夏が暑いのは必然なんだと必死に言い聞かせてみてもいざ暑くなってみると愕然とするやら憤然とするやらもうとにかく憮然としてしようがない。
それが自然の摂理だなんて言われなくても分かってはいるが、こんな暑さじゃ太陽を打ち落とす気にもなれやしない。
「心頭滅却すれば火もまた涼し」というのは至極簡単な話だと思うが、知ってりゃ大丈夫かどうかはまた別の話で、実際に行うには平常心と同等の根性が必要であり、生憎そんな便利なものを持って生まれてなどいないオレは滅却することもなくただ蚊に襲撃されているという悲惨な状態である。
それにこの言葉を残した人物は滅却したまま焼け死んでいるのであまり信用出来るもんじゃないし。
人を信じれば穴二つ、自分の墓穴は自分で掘れってことか。
「おい、さっさと掘れよ」
などとぐるぐる考えていたら怒られてしまった。
「ホントにこの辺りなんだろうな」
「そのハズだよ、だってここにカツラの木があるし」
「カツラ!」
「誰もオマエの事なんて言ってないから反応すんな」
と、騒がしいオレたち三人が今いるのは母校である中学の裏手にある裏山である、あまり人も入らず忘れ去られた感があるが、ここには卒業前にオレたちが埋めたタイムカプセルがある。
事の流れを説明すると、同窓会で再会したのが4時間前、
タイムカプセルの話題になったのが3時間前、
で、掘り出しに出かけたのが1時間前、
そして今に至る、と。
そう考えると無駄な行動力だなと思う。昔と何も変わっちゃいない。
「ダメだ、暗いし記憶無いし見つかんねぇよ」
「大丈夫、こんなこともあろうかと、金属探知機を持ってきた」
「何探す気だ」
「あ、オレはダウジングセットを」
「所持してるオマエが分からねぇよ」
などと騒ぐこと数分、結局各々が勝手に探し始める。そのまま数十分が過ぎた後、
「これだけ探しても見つからないなんて、もしかして
『環境にやさしい! 土に還るプラスチック素材使用』
とかじゃないだろうな」
「そんな不親切な素材なんか使ってたまるか」
などという愚痴も飛び交い始め、急速にやる気が削がれていく。そんな状態。
「なぁ、死体って見つけたらどうしたらいいんだ?」
唐突に聞かれた。
フリーズ、シャットダウンが出来ません。
「そりゃオマエ、警察に連絡してだな・・・」
「・・・・・・」
「・・・見つけたのか?」
彼はそれには答えずただ地面を向いて立ちつくすだけだった。何だか急に寒くなってきた。
「おぉい! こっちも見つけたぞ」
そんな状況とは無縁のダウジング男が横で声を張り上げる。
「ほら、タイムカプセル」
「それどころじゃねぇよ、死体見つけたんだからさ」
「死体?」
「そう、白骨死体だよ」
怪訝そうな顔を見せた刹那、すぐに表情が変わった。
「あぁ、それか、それには心当たりがある」
「心当たりって、この死体にか?」
「まさかお前、殺したのか!」
「分かったからちょっと待ってろよ、確かこの辺に・・・、おぉ、あったあった、ほらコレ」
『タイムカプセルの中身 目録』
「あ、そういえばこんなの書いたな」
「そ、これのココ、見てみな」
オレたち二人はそこに書かれていた内容を見て納得した。
中に入れたモノ
・野球カード
・鈴木選手のサイン入りボール
・通知票
・10年後の自分へ
・あの日の思い出
・
・
・
・
・理科室の人体模型(入らないので横に埋める)
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